FM三重「ウィークエンドカフェ」2022年8月27日放送

宮川を渡り、茶畑を抜けると緑豊かな小道が続く。
今回は、度会町にある『木ままな美術館cafe萌音』の館長、井爪貞子さんがお客様です。
70年前に作られた古民家をほとんど自分たちで改装して、今年の6月にオープンしました。

地500坪の中にある古民家を改装してカフェと美術館をオープン

土地が全部で500坪あるんですよ。
しかもこの前の庭を省いて、一面全部茶畑としきり畑で。
一つも空間がないほど埋め尽くされていました。
そんなところで果たして回復させることができるか、と考えました。
『木ままな美術館』は木の間に建っている建物ということで、自然の環境を活かした場所で催し物をできたらな…そんな思いがありました。
ここをどう蘇らせるかは、至難の業でした。
ぼちぼちできるところから手を付けたという感じです。
一番最初は床でしたかな。
シロアリが出ていたので、床を抜くことになりました。
大工さんに全部抜いてもらい、その後、床下の掃除をしていたら、おくどさんが残っていたのを見つけました。
このあたりは昔、おくどさんを使っていたんですね。
懐かしい昔の情景がみえて、嬉しかったですね。
古い、昔のお台所は一時綺麗にしたいために、すすだらけの天井を隠すために化粧板を貼ったりしていたんです。
その化粧板を外したら、思いがけない黒いすすの天井が見えてきました。
ワクワクの面白さがありますね。
天井も壁も全部、娘と私で抜きました。

 

会町の木ままな美術館は3回目。カフェは初めての試み

今から20年ほど前、最初の『木ままな美術館』が宮川村にできました。
その後、横輪町に移転して12年。
ライブや展示会など多くの人が訪れる場所となりました。

春の桜がとにかくきれいな場所なので、桜の時期に展示会をしたりしました。
そのときに、催し的なカフェをしていたんです。
でもちゃんとしたカフェとしてはやっていませんでした。
ちょうど横輪の桜が有名になってきて、『横輪桜』と認知されて観光バスなどが入ってくるようになったくらいの時期に向こうをお借りしたので、けっこう脚光を浴びていろいろな催しができるようになりました。
もう一つ前に宮川町で小さな山小屋を作ったんです。
それがはじまり。
2000年に完成しました。
なにか、楽しいところでした。
山の中にポツンとあって、下に川が流れていて。
そういうところでした。
山の延べ面積は300坪くらいでしたが、実際に家を建てられる面積は9坪しかありませんでした。
そこで小さな建物を造って、初めて『木ままな美術館』と名付けました。
小さいのにね。
でもそれが、木が茂って、木と木の間に家があって、こういうところで自然と一緒になって沢山の人に集まってもらって、いろいろな催しができて、音楽ライブができたり…なんていろいろ考えたのですが、いかんせんちょっと小さすぎて。
たまたま横輪にお邪魔したときに空き家があって、桜の綺麗なところがあって、それを見つけて、即お借りすることになりました。
宮川の家を建ててから8年くらいしか経っていなかったのですが。

 

りたいと思ったらすぐ始めてしまう

横輪の家も古民家でした。
自由に改築しても良いということで、そこも壁を全部塗って真っ黒になっていた床も全部磨きました。
かなり手間をかけましたね。
そういうことがあって、これならできるんじゃないかと。
何よりもできるできないを考える前に、見切り発車をしているという感じですね。
好奇心が旺盛なので、やりたいと思ったらまず、すぐに手をかけてしまうので、子どもたちはドギマギしたと思います。
実際、カフェができて、いざ飲食しようと思ったら全然できなくて、それが大変でした。
最終的に娘二人と孫夫婦が手伝ってくれることになって、それでようやくなんとか軌道に乗ってきた感じです。

 

づくりを頑張っている。どの季節も楽しめるガーデンづくり

ここも木をたくさん植えて、自然の山の小道を歩けるような…そんなイメージにしたいと思っています。
コナラの木や紅葉や山菜、そんなものをたくさん植えて。
で、木陰ができて、そこに山野草があって。
そこを歩いていただけたらな、と思っています。
まだ木は小さいですが、そんな理想を抱いています。
『木まま』と、本当に『気まま』とかけて。
いつ、何をやりますというキッチリしたことは言えませんが、絵手紙もやっているので、その展示をしたり、またライブをしたいときはライブを開催したり、他の方の絵画展をしたりとか。
気ままに日にちを設けてやっていきたいと思うんです。
なんせ、もう78歳になるので、あんまり無理はできないと思います。
でもね、この花畑の手入れ、全部一人でやっているんです。
横に菜園もあるのですが、そこまで手が回らなくて。
オープンのときは綺麗にしたんですけど…花畑はお客様の目に触れるところなので手は入れるのですが、向こうまではとっても手が届きません。
いま草丈がうんと伸びています。
とにかく今はまだ理想の庭には程遠いですが、木が成長してくれて、下に草花が咲き乱れてくれるようになったら理想かな、と考えています。

なにか一つ形ができると、なにかまた新しいものに挑戦したくなっちゃうんですよね。